外郎売LRC
- 更新时间:2009-3-10
- 刷新时间:2025-03-19 11:25
- [ti:外郎売]
[ar:市川団十郎]
[al:歌舞伎十八番の一 享保三年]
[by:8e8e.net]
[00:00.05] 《外郎売》 市川団十郎 作
[00:01.00]拙者「せっしゃ」親方「おやかた」と申すは、
[00:03.00]御立合「おたちあい」の中「うち」に御存知「ごぞんじ」のお方「かた」もござりましょうが、
[00:06.40]お江戸を立「た」って二十里「にじゅうり」上方「かみがた」、
[00:09.45]相州小田原「そうしゅうおだわら」、一色町「いっしきまち」をお過ぎなされて、
[00:12.40]青物町「あおものちょう」を登「のぼ」りへお出「い」でなさるれば
[00:14.70]欄干橋「らんかんばし」虎屋藤右衛門「とらやとうえもん」、
[00:17.15]只今「ただいま」は剃髪「ていはつ」いたして円斎「えんさい」と名のりまする。
[00:21.89]元朝「がんちょう」より大晦日「おおつごもり」まで、
[00:25.35]お手に入れまする此「こ」の薬は、
[00:27.18]昔、ちんの国の唐人「とうじん」、外郎「ういろう」という人、わが朝「ちょう」へ来「き」たり、
[00:32.99]帝「みかど」へ参内「さんだい」の折「おり」から、この薬を深く籠「こ」め置「お」き、
[00:37.00]用「もち」ゆる時は一粒「いちりゅう」づつ、冠「かんむり」のすき間「ま」より取出「とりいだ」す。
[00:40.87]依「よ」ってその名を、帝「みかど」より「頂透香「とうちんこう」」と賜「たまわ」る。
[00:45.36]即「すなわ」ち文字「もんじ」には、
[00:48.05]「いただき、すく、におい」と書いて「とうちんこう」と申す。
[00:50.90]只今は此「こ」の薬、殊「こと」の外「ほか」世上「せじょう」に弘「ひろ」まり、
[00:56.00]ほうぼうに似看板「にせかんばん」を出「いだ」し、
[00:57.85]イヤ、小田原「おだわら」の、灰俵「はいだわら」の、さん俵「だわら」の、炭俵「すみだわら」のと、
[01:01.37]色々に申せども、平仮名「ひらがな」を似「も」って「ういろう」と記「しる」せしは
[01:05.86]親方円斎ばかり、もしやお立合「たちあ」いの内「うち」に、
[01:10.10]熱海「あたみ」か、塔「とう」の沢「さわ」へ湯治「とうじ」にお出「いで」なさるか、
[01:13.57]又「また」は、伊勢「いせ」御「ご」参宮「さんぐう」の折「おり」からは、必ず門「かど」ちがいなされまするな。
[01:17.86]お登「のぼ」りならば右「みぎ」の方「かた」、お下「くだ」りならば左側「ひだりがわ」、
[01:22.07]八方「はっぽう」が八「や」つ棟「むね」、おもてが三つ「み」棟「むね」玉堂造「ぎょくどうづく」り、
[01:25.07]破風「はふ」には菊「きく」に桐「きり」のとうの御紋「ごもん」をご赦免「しゃめん」あって、
[01:28.11]系図「けいず」正しき薬「くすり」でござる。
[01:30.39]イヤ 最前「さいぜん」より家名「かめい」の自慢「じまん」ばかり申しても、
[01:34.58]ご存知ない方「かた」には、 正身「しょうしん」の胡椒「こしょう」の丸呑「まるのみ」、白河夜船「しらかわよふね」、
[01:39.30]さらば一粒「いちりゅう」たべかけて、その気味合「きみあ」いをお目にかけましょう。
[01:43.69]先「ま」づ此「こ」の薬を、
[01:47.30]かように一粒「いちりゅう」舌「した」の上にのせまして、
[01:50.08]腹内「ふくない」へ納「おさ」めますると、
[01:51.98]イヤどうも言「い」えぬは、
[01:54.17]胃「い」、心「しん」、肺「はい」、肝「かん」がすこやかに成「な」って、
[01:57.50]薫風「くんぷう」喉「のんど」より来「きた」り、
[01:59.55]口中「こうちゅう」微涼「びりょう」を生「しょう」ずるが如「ごと」し、
[02:02.20]魚鳥「ぎょちょう」、きのこ、麺類「めんるい」の喰合「くいあわ」せ、
[02:04.61]その外「ほか」、万病速効「まんびょうそっこう」あること神の如「ごと」し。
[02:09.30]さて、この薬、
[02:11.37]第一の奇妙「きみょう」には、
[02:12.97]舌のまわることが、銭「ぜに」独楽「ごま」がはだしで逃「に」げる。
[02:16.32]ひょっと舌がまわり出「だ」すと、矢「や」も楯「たて」もたまらぬじや「じゃ」。
[02:20.46]そりゃそりゃそらそりゃ、まわってきたは、廻「まわ」ってくるは、
[02:25.35]アワヤ喉「のんど」、 サタラナ舌「ぜつ」に、カ牙「げ」サ歯音「しおん」、
[02:28.50]ハマの二つは唇「くちびる」の軽重「けいちょう」、開合「かいごう」さわやかに、
[02:32.22]アカサタナハマヤラワオコソトノホモヨロオ、
[02:35.08]一つへぎへぎに、へぎほしはじかみ、
[02:37.75]盆「ぼん」まめ、盆米「ごめ」、盆ごぼう、
[02:39.75]摘蓼「つみたで」、つみ豆「まめ」、つみ山椒「さんしょう」、
[02:41.76]書写山「しょしゃざん」の社僧正「しゃそうじょう」、
[02:43.80]粉米「こごめ」のなまがみ、粉米のなまがみ、こん粉米のこなまがみ、
[02:47.20]儒子「しゅす」、緋儒子「ひじゅす」、儒子、儒珍「しゅっちん」、
[02:49.42]親「おや」も嘉兵衛「かへい」、子「こ」も嘉兵衛、親かへい子かへい、子かへい親かへい、
[02:53.78]ふる栗「ぐり」の木の古切口「ふるきりぐち」、
[02:55.67]雨がっぱか、番「ばん」合羽「がっぱ」か、
[02:57.68]貴様「きさま」のきゃはんも皮脚絆「かわぎゃはん」、
[02:59.54]我等「われら」がきゃはんも皮脚絆、
[03:01.19]しつかは「しっかわ」袴「ばかま」のしっぽころびを、
[03:03.47]三針「みはり」はりながにちよと「ちょと」縫「ぬ」うて、ぬうてちょとぶんだせ、
[03:07.06]かは「わ」ら撫子「なでしこ」、野石竹「のぜきちく」、
[03:08.99]のら如来「にょらい」、のら如来、三「み」のら如来に六「む」のら如来、
[03:12.11]一寸先「いっすんさき」のお小仏「こぼとけ」に、おけつまづきやる「きゃる」な、
[03:15.27]細溝「ほそみぞ」にどじょにょろり、
[03:16.92]京「きょう」の生鱈「なまだら」、奈良「なら」なま学鰹「まながつお」、ちょと四五貫目「しごかんめ」、
[03:20.62]お茶立「ちゃた」ちょ、茶立ちょ、ちゃつ「ちゃっ」と立ちょ茶立ちょ、
[03:23.35]青竹茶煎「あおだけちゃせん」で、お茶ちゃと立ちゃ。
[03:25.80]来「く」るは来るは、何が来る。
[03:27.89]高野「こうや」の山「やま」のおこけら小僧「こぞう」、
[03:29.77]狸「たぬき」百匹、箸「はし」百ぜん、
[03:31.43]天目「てんもく」百ぱい、棒「ぼう」八百本。、
[03:33.47]武具「ぶぐ」、馬具「ばぐ」、武具、馬具、三「み」ぶぐばぐ、
[03:35.50]合「あわ」せて武具馬具六「む」武具馬具、
[03:37.61]菊「きく」、栗「くり」、菊栗、三「み」菊栗、
[03:39.73]合せて菊栗、六「む」菊栗、
[03:41.39]麦「むぎ」ごみ麦ごみ、三「み」麦ごみ、
[03:43.60]合せて麦ごみ六「む」麦ごみ、
[03:45.43]あのなげしの長「なが」なぎなたは、誰「た」がなげしの長薙刀「ながなぎなた」ぞ、
[03:49.26]向こうのごまがらは、荏「え」の胡麻「ごま」がらか、真「ま」胡麻「ごま」がらか、
[03:52.33]あれこそほんの真胡麻「まごま」がら、
[03:54.24]がらぴいがらぴい風車「かざぐるま」、
[03:56.21]おきゃがれこぼし、おきゃがれこ法師「ぼし」、
[03:58.13]ゆんべもこぼして又こぼした、
[04:00.05]たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりから、ちりから、つったっぽ、
[04:03.20]たっぽだっぽ一丁「いっちょう」だこ、
[04:05.02]落「お」ちたら煮「に」てくを、
[04:06.35]煮ても焼いても喰われぬものは、
[04:08.63]五徳「ごとく」、 鉄「てっ」きゅう、かな熊「ぐま」どうじに、石熊「いしぐま」、石持「いしもち」、虎熊「とらぐま」、虎きす、
[04:12.71]中「なか」にも、東寺「とうじ」の羅生門「らしょうもん」には
[04:15.00]茨城童子「いばらぎどうじ」がうで栗「ぐり」五合「ごんごう」つかんでおむしゃる、
[04:18.37]かの頼光「らいこう」のひざ元「もと」去「さ」らず、
[04:20.80]鮒「ふな」、きんかん、椎茸「しいたけ」、定「さだ」めてごたんな、
[04:23.30]そば切「き」り、そうめん、うどんか、 愚鈍「ぐどん」な小新発知「こしんぼち」、
[04:26.53]小棚「こだな」の、小下「こした」の、小桶「こおけ」に、こ味噌「みそ」が、こ有「あ」るぞ、
[04:28.73]こ杓子「しゃくし」、こもって、こすくって、こよこせ、
[04:31.65]おっと、がってんだ、
[04:32.97]心得「こころえ」たんぼの、川崎「かわさき」、神奈川「かながわ」、保土ヶ谷「ほどがや」、戸塚「とつか」を、
[04:35.98]走って行けば、やいとを摺「す」りむく、
[04:37.83]三里「さんり」ばかりか、藤沢「ふじさわ」、平塚「ひらつか」、大磯「おおいそ」がしや、
[04:40.73]小磯「こいそ」の宿「しゅく」を七つおきして、
[04:43.56]早天「そうてん」そうそう、相州小田原「そうしゅうおだわら」とうちんこう、
[04:46.80]隠「かく」れござらぬ貴賎群衆「きせんぐんじゅ」の、花のお江戸の花うゐ「い」ろう、
[04:50.54]あれあの花を見て、
[04:52.16]お心を、おやは「わ」らぎやという、産子「うぶこ」、這「は」う子「こ」に至「いた」るまで、
[04:56.12]此「こ」のうゐろうのご評判「ひょうばん」、ご存知ないとは申されまいまいつぶり、
[05:00.37]角「つの」だせ、棒だせ、 ぼうぼうまゆに、
[05:02.69]うす、杵「きね」、すりばちばちばちぐゎらぐゎらぐゎらと、
[05:06.55]羽目「はめ」をはずして今日「こんにち」お出「い」での何茂様「いづれもさま」に、
[05:09.87]上「あ」げねばならぬ、
[05:10.98]売らねばならぬと、
[05:12.32]息「いき」せい引「ひ」っぱり、
[05:14.00]東方「とうほう」世界の薬の元締「もとじめ」、
[05:16.13]薬師如来「やくしにょらい」も照覧「しょうらん」あれと、
[05:18.65]ホホ敬「うやま」って、
[05:19.64]うゐ「い」ろうは、 いらっしゃりませぬか。
[05:23.37]終わり
外郎売歌词
- 歌词名称:外郎売
- 演唱歌手:市川団十郎
- 歌词专辑:歌舞伎十八番の一 享保三年
- 《外郎売》 市川団十郎 作
相州小田原「そうしゅうおだわら」、一色町「いっしきまち」をお過ぎなされて、
拙者「せっしゃ」親方「おやかた」と申すは、
御立合「おたちあい」の中「うち」に御存知「ごぞんじ」のお方「かた」もござりましょうが、
お江戸を立「た」って二十里「にじゅうり」上方「かみがた」、
青物町「あおものちょう」を登「のぼ」りへお出「い」でなさるれば
欄干橋「らんかんばし」虎屋藤右衛門「とらやとうえもん」、
只今「ただいま」は剃髪「ていはつ」いたして円斎「えんさい」と名のりまする。
元朝「がんちょう」より大晦日「おおつごもり」まで、
お手に入れまする此「こ」の薬は、
昔、ちんの国の唐人「とうじん」、外郎「ういろう」という人、わが朝「ちょう」へ来「き」たり、
帝「みかど」へ参内「さんだい」の折「おり」から、この薬を深く籠「こ」め置「お」き、
用「もち」ゆる時は一粒「いちりゅう」づつ、冠「かんむり」のすき間「ま」より取出「とりいだ」す。
依「よ」ってその名を、帝「みかど」より「頂透香「とうちんこう」」と賜「たまわ」る。
即「すなわ」ち文字「もんじ」には、
「いただき、すく、におい」と書いて「とうちんこう」と申す。
只今は此「こ」の薬、殊「こと」の外「ほか」世上「せじょう」に弘「ひろ」まり、
ほうぼうに似看板「にせかんばん」を出「いだ」し、
イヤ、小田原「おだわら」の、灰俵「はいだわら」の、さん俵「だわら」の、炭俵「すみだわら」のと、
色々に申せども、平仮名「ひらがな」を似「も」って「ういろう」と記「しる」せしは
親方円斎ばかり、もしやお立合「たちあ」いの内「うち」に、
熱海「あたみ」か、塔「とう」の沢「さわ」へ湯治「とうじ」にお出「いで」なさるか、
又「また」は、伊勢「いせ」御「ご」参宮「さんぐう」の折「おり」からは、必ず門「かど」ちがいなされまするな。
お登「のぼ」りならば右「みぎ」の方「かた」、お下「くだ」りならば左側「ひだりがわ」、
八方「はっぽう」が八「や」つ棟「むね」、おもてが三つ「み」棟「むね」玉堂造「ぎょくどうづく」り、
破風「はふ」には菊「きく」に桐「きり」のとうの御紋「ごもん」をご赦免「しゃめん」あって、
系図「けいず」正しき薬「くすり」でござる。
イヤ 最前「さいぜん」より家名「かめい」の自慢「じまん」ばかり申しても、
ご存知ない方「かた」には、 正身「しょうしん」の胡椒「こしょう」の丸呑「まるのみ」、白河夜船「しらかわよふね」、
さらば一粒「いちりゅう」たべかけて、その気味合「きみあ」いをお目にかけましょう。
先「ま」づ此「こ」の薬を、
かように一粒「いちりゅう」舌「した」の上にのせまして、
腹内「ふくない」へ納「おさ」めますると、
イヤどうも言「い」えぬは、
胃「い」、心「しん」、肺「はい」、肝「かん」がすこやかに成「な」って、
薫風「くんぷう」喉「のんど」より来「きた」り、
口中「こうちゅう」微涼「びりょう」を生「しょう」ずるが如「ごと」し、
さて、この薬、
魚鳥「ぎょちょう」、きのこ、麺類「めんるい」の喰合「くいあわ」せ、
その外「ほか」、万病速効「まんびょうそっこう」あること神の如「ごと」し。
第一の奇妙「きみょう」には、
舌のまわることが、銭「ぜに」独楽「ごま」がはだしで逃「に」げる。
ひょっと舌がまわり出「だ」すと、矢「や」も楯「たて」もたまらぬじや「じゃ」。
そりゃそりゃそらそりゃ、まわってきたは、廻「まわ」ってくるは、
アワヤ喉「のんど」、 サタラナ舌「ぜつ」に、カ牙「げ」サ歯音「しおん」、
ハマの二つは唇「くちびる」の軽重「けいちょう」、開合「かいごう」さわやかに、
アカサタナハマヤラワオコソトノホモヨロオ、
一つへぎへぎに、へぎほしはじかみ、
盆「ぼん」まめ、盆米「ごめ」、盆ごぼう、
摘蓼「つみたで」、つみ豆「まめ」、つみ山椒「さんしょう」、
書写山「しょしゃざん」の社僧正「しゃそうじょう」、
粉米「こごめ」のなまがみ、粉米のなまがみ、こん粉米のこなまがみ、
儒子「しゅす」、緋儒子「ひじゅす」、儒子、儒珍「しゅっちん」、
親「おや」も嘉兵衛「かへい」、子「こ」も嘉兵衛、親かへい子かへい、子かへい親かへい、
ふる栗「ぐり」の木の古切口「ふるきりぐち」、
雨がっぱか、番「ばん」合羽「がっぱ」か、
貴様「きさま」のきゃはんも皮脚絆「かわぎゃはん」、
我等「われら」がきゃはんも皮脚絆、
のら如来「にょらい」、のら如来、三「み」のら如来に六「む」のら如来、
しつかは「しっかわ」袴「ばかま」のしっぽころびを、
三針「みはり」はりながにちよと「ちょと」縫「ぬ」うて、ぬうてちょとぶんだせ、
かは「わ」ら撫子「なでしこ」、野石竹「のぜきちく」、
一寸先「いっすんさき」のお小仏「こぼとけ」に、おけつまづきやる「きゃる」な、
細溝「ほそみぞ」にどじょにょろり、
京「きょう」の生鱈「なまだら」、奈良「なら」なま学鰹「まながつお」、ちょと四五貫目「しごかんめ」、
お茶立「ちゃた」ちょ、茶立ちょ、ちゃつ「ちゃっ」と立ちょ茶立ちょ、
青竹茶煎「あおだけちゃせん」で、お茶ちゃと立ちゃ。
来「く」るは来るは、何が来る。
高野「こうや」の山「やま」のおこけら小僧「こぞう」、
狸「たぬき」百匹、箸「はし」百ぜん、
天目「てんもく」百ぱい、棒「ぼう」八百本。、
武具「ぶぐ」、馬具「ばぐ」、武具、馬具、三「み」ぶぐばぐ、
合「あわ」せて武具馬具六「む」武具馬具、
菊「きく」、栗「くり」、菊栗、三「み」菊栗、
合せて菊栗、六「む」菊栗、
麦「むぎ」ごみ麦ごみ、三「み」麦ごみ、
合せて麦ごみ六「む」麦ごみ、
あのなげしの長「なが」なぎなたは、誰「た」がなげしの長薙刀「ながなぎなた」ぞ、
向こうのごまがらは、荏「え」の胡麻「ごま」がらか、真「ま」胡麻「ごま」がらか、
あれこそほんの真胡麻「まごま」がら、
がらぴいがらぴい風車「かざぐるま」、
おきゃがれこぼし、おきゃがれこ法師「ぼし」、
ゆんべもこぼして又こぼした、
たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりから、ちりから、つったっぽ、
五徳「ごとく」、 鉄「てっ」きゅう、かな熊「ぐま」どうじに、石熊「いしぐま」、石持「いしもち」、虎熊「とらぐま」、虎きす、
たっぽだっぽ一丁「いっちょう」だこ、
落「お」ちたら煮「に」てくを、
煮ても焼いても喰われぬものは、
中「なか」にも、東寺「とうじ」の羅生門「らしょうもん」には
茨城童子「いばらぎどうじ」がうで栗「ぐり」五合「ごんごう」つかんでおむしゃる、
かの頼光「らいこう」のひざ元「もと」去「さ」らず、
鮒「ふな」、きんかん、椎茸「しいたけ」、定「さだ」めてごたんな、
そば切「き」り、そうめん、うどんか、 愚鈍「ぐどん」な小新発知「こしんぼち」、
小棚「こだな」の、小下「こした」の、小桶「こおけ」に、こ味噌「みそ」が、こ有「あ」るぞ、
こ杓子「しゃくし」、こもって、こすくって、こよこせ、
おっと、がってんだ、
心得「こころえ」たんぼの、川崎「かわさき」、神奈川「かながわ」、保土ヶ谷「ほどがや」、戸塚「とつか」を、
走って行けば、やいとを摺「す」りむく、
三里「さんり」ばかりか、藤沢「ふじさわ」、平塚「ひらつか」、大磯「おおいそ」がしや、
小磯「こいそ」の宿「しゅく」を七つおきして、
早天「そうてん」そうそう、相州小田原「そうしゅうおだわら」とうちんこう、
隠「かく」れござらぬ貴賎群衆「きせんぐんじゅ」の、花のお江戸の花うゐ「い」ろう、
あれあの花を見て、
お心を、おやは「わ」らぎやという、産子「うぶこ」、這「は」う子「こ」に至「いた」るまで、
此「こ」のうゐろうのご評判「ひょうばん」、ご存知ないとは申されまいまいつぶり、
角「つの」だせ、棒だせ、 ぼうぼうまゆに、
上「あ」げねばならぬ、
うす、杵「きね」、すりばちばちばちぐゎらぐゎらぐゎらと、
羽目「はめ」をはずして今日「こんにち」お出「い」での何茂様「いづれもさま」に、
売らねばならぬと、
息「いき」せい引「ひ」っぱり、
東方「とうほう」世界の薬の元締「もとじめ」、
薬師如来「やくしにょらい」も照覧「しょうらん」あれと、
ホホ敬「うやま」って、
うゐ「い」ろうは、 いらっしゃりませぬか。
終わり
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